トリマーの給料は安い?実際の年収と増やすための具体的な方法を解説!

悩める女子

トリマーの給料はいくらぐらい?実際に生活していけるの?

動物が好きで、トリマーの職業に興味を持つ方は多いかもしれません。

しかし、トリマーになった時の給料や年収で生活していけるかどうかは、仕事を選ぶ上で大切なポイントですよね。

そこで本記事では、未経験からトリマーに転職したいという方に向けて、トリマーとして働く上で知っておくべき給料や年収からキャリアアップして年収を上げる方法まで詳しく解説します。

本記事でわかること
  • トリマーの給料と年収
  • トリマーとして独立した時の年収
  • トリマーの仕事で年収を上げる方法

著者は獣医師として動物病院で働いており、トリマーさんと接する機会も多いです。

著者の日々の仕事での実体験や公的機関のデータをもとに解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

ペットのお仕事ナビとは?

「ペットのお仕事ナビ」は、ペット業界でのキャリア構築をサポートするWEBメディアです。

トリマー資格について未経験からのスタートを考える方に向けて、ペット業界で働く著者の知見を活かし詳しく解説しているので、ぜひ最後までご覧ください!

この記事を書いた人

【はらだるな】

大学卒業後団体職員として大動物臨床を経験後小動物臨床へ転換。

動物病院の勤務獣医師としてフルタイムで働きながら「ペットのお仕事ナビ」の運営とライター活動を行っている。

旦那も獣医さんで、愛犬と3人で生活中。

当サイトで紹介する通信講座等は、特徴や受講料・サポート面など様々な条件から紹介しています。なお、みなさまに無料コンテンツを提供する目的で、複数のアフィリエイトプログラムに参加し、手数料の支払いを受けていることをご了承ください。

目次

トリマーの仕事内容

トリマーは主に犬や猫などのペットのヘアカットやシャンプーなど、体のケアをするサービス業の1つです。

でも単にペットの毛をカットすることだけではなく、犬や猫の健康状態をチェックし適切なケアを提供することで、ペットとそのご家族の生活の質を高める事ができる魅力的な職業でもあります。

トリマーの年収といってもその専門性と経験、業務内容によって大きく異なります。

アシスタントから従業員としてのお給料、個人店として開業している方の他、出張トリマーやホームトリマー、動物病院での治療トリミングに至るまでいろんな業務形態があるため、千差万別です。

トリマーの年収を左右する要因

トリマーとしての年収を左右する要因には、地理的な条件やその地域の賃金形態、働き方などいくつもの要因で変わってきます。

ここではその要因を一つ一つ挙げてみてみましょう。

場所や地域ごとの差

例えば、都市部ではペットの需要が高い傾向にあるため、それに伴いトリマーの年収も上昇傾向にあります。

厚生労働省の公式HP地域別最低賃金の全国一覧によると、東京の最低賃金は1113円、神奈川は1112円と、首都圏が最低賃金上位を占めていることがわかります。

出典:厚生労働省公式HP「地域別最低賃金の全国一覧」

一方で、地方では顧客数が限られているため、年収が都市部に比べて低いことが一般的です。

最下位層の沖縄は896円、岩手は893円です。

つまり東京と岩手の時給の差は220円になります。

1日8時間勤務で週5日働いた場合、

東京の最低賃金は44,520円、岩手では35,720円なので一週間で「8,800円」の差

1ヶ月間(4週)では

東京での最低賃金は17万8千80円、岩手では14万2千880円となり、その差は「3万5千200円」です。

このような地域差を理解することは、トリマーとしてのキャリアプランを考える上でとても重要です。

どんな仕事にも当てはまるけど、同じ職業でも働く場所で給料が全く違ってくる!

経験年数やポジション

トリマーは基本的に技術職なので、経験年数が年収に大きな影響を与えます。

新人トリマーの年収は比較的低いですが、経験を積むことでスキルが向上し、それが年収アップにつながります。

たとえば、特定のカット技術や動物の皮膚病に関する知識を持つトリマーは、会社から評価されるため、より高い年収を得ることができます。

実際に、経験豊富なトリマーは、新人トリマーと比べて年収が数十万円から数百万円高い場合もあります。

勤務形態の違い(正社員、パート、独立)

正社員トリマーの年収は一般的に安定しており、福利厚生も充実しています。

一方、パートやアルバイトは時給制であり、勤務時間に応じた収入となるため、フルタイムで働く正社員と比べると年収は低めです。

独立トリマーはお店の業績に応じて年収が大きく変動しますが、自分のサロンを持つことで収入の上限を大きく引き上げることができます。

正社員は安定した収入を得られる一方で、パートタイムやアルバイトは柔軟な勤務時間が魅力です。

独立したトリマーは高いリスクを背負いますが、成功すればその分、収入も大きくなる可能性があります。

このように、それぞれの働き方にはメリットデメリットがあるので、一概にこれがいい!と選ぶことはできません。。。

働き方を選ぶ時は、ライフスタイルやキャリアプランを考えることが大切です。

家庭と仕事を両立させたい場合はパートやアルバイトが融通が利きやすく、経験を積んで独立を目指すなら正社員としての経験が役立ちます。

従業員として働く場合の年収

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、

トリマーを含む「その他のサービス職業従事者」の平均年収は386.1万円(平均年齢42.3歳)

となっています。

一般的な平均年収は男性が532万、女性は293万ほどです。

そのためトリマーの平均年収は全国的な平均年収よりもやや安いか平均くらいということがわかります。

詳しくはお金のカタチ「トリマーの平均年収は386.1万円!収入事情・仕事内容・なるための方法などを解説」をご覧ください。

年収にすると、ボーナスを含めると男性が432万円、女性は312万円になります。
※年収は平均月収×12ヵ月+賞与で計算。

出典:厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況

業種が類似している職業で美容師の年収とも比較すると、意外とトリマーと相違が無い事がわかりました。

ペット業界・人分野問わず、サービス業事業者は平均よりも年収が低い傾向にあります。

独立開業して働く場合の年収

従業員ではなく、店を独自に所有した場合の平均年収は、立地や店の従業員数により差があります。

TRIMALさんの記事トリマーが独立開業をしたら年収は1200万円?を参考にすると、

オーナー1人店舗で独立開業した際の年収は約520万

という事でした。

従業員として働くよりも利益を直接受け取る事ができるので年収は上がりますが、店舗にかかる経費や一人で1日にトリミングできる頭数には制限があるため、売上の伸び代はやや低めという事でした。

トリマーの年収が低い原因は?

トリマーの年収が比較的低いとされる理由はいくつか考えられます。

職業の専門性と教育コストが低い


トリマーになるための専門教育や認定資格は必要ですが、他の高収入を得るための専門職(例えば医者や弁護士など)と比較すると、教育期間が短く、教育コストも比較的低いことが多いです。

多くは専門学校の卒業や独学などですぐに現場に出て働くがほとんどで、トリマーをするのに特別な資格や教育機関などがなく、その分希少性も低いです。

そのため、投資対効果としても年収が低めに設定されがちなのかもしれません。

ビジネス形態が価格競争になりやすい


トリミングサービスは価格競争が激しい場合があり、低価格でサービスを提供することが求められることもあります。

時間がかかる割には一頭あたりの値段は地域差はあれど3000円〜9000円です。

また、トリミングは繰り返しのサービスではあるものの、顧客が定期的に利用する頻度には限界があるため、トリマーの収入が限られた範囲に留まることがあります。

仕上げるのにかかる時間が長く時間単価が低い

トリミングの値段は地域ごとに差がありますが、大体一頭3000円〜9000円です。

一匹のカットを仕上げるのに2時間から2時間半かかることを考えると、1時間あたり2000円〜4500円程度。

その上一人でカットできる上限は限られています。

そこから材料費などを抜いて給料を算出するため、結果時給も低くなってしまいます。

年収アップを目指すためには?

トリマーは一般的な年収と比べると低いのが現状ですが、年収を平均以上に上げることは可能だと考えています。

資格を取得して専門性を上げてみる

トリマーの年収をアップさせるために、資格取得は非常に有効だと考えます

資格を持てば、その専門性を客観的に証明できるため信頼性が増し、より多くの顧客を惹きつけることができるからです。

トリマーやアニマルケア系の資格取得が昇給条件となっている企業もあります。

また条件となっていなくても、資格があれば給料交渉もしやすくなったり、飼い主さんから指名をもらえたりと、メリットが多いです。

もちろん資格の有無が評価されない職場もあるかもしれません。。。

ただ資格を取得した後はより独立しやすくなったり、給料アップして他のサロンに転職できる確率が上がるので、そういう職場であれば転職や独立を検討してみてはいかがでしょうか?

はらだるな

資格があれば周りにもやる気をアピールできるし、悪いことなしです!

独立開業する

3〜5年従業員として経験を積んで自信が付いた後は、ぜひ独立することをお勧めします。

独立開業は年収を大きく左右する選択肢の一つです。

自分のサロンを持つことで、自由な働き方を選択しながら、かつ収益性を大幅に高めることが可能になります。

独立したトリマーさんは、一般的に従業員よりも年収が高い傾向にあります。

もちろん独立資金がかかったり、リピート客ができて事業が軌道に乗るまでには6ヶ月〜1年以上はかかるので、簡単ではありません。

年収アップに繋がる資格は何?

悩める女子

それなら年収をアップしやすい資格は 何があるの??

信頼度・認知度が高く所有していると評価されやすい資格としては

  • JKC公認トリマーライセンス(ジャパンケンネルクラブ)
  • AAV認定サロントリマー検定(全国動物専門学校協会)
  • JDA公認トリマー(全日本愛犬技術者指導協会)

などが挙げられます。

それぞれ実務経験や認定校の卒業など、他の民間資格よりも受験条件は厳しめです。

しかし合格すると新しいキャリアパスが開ける可能性大なので、ぜひ挑戦してみることをお勧めします。

詳しくはトリマー資格の種類は?難易度別取得方法とおすすめ資格を紹介!をご覧ください。

まとめ:トリマーが目指すべきキャリアアップは?

いろんな選択肢の情報を持っておく

トリマーには様々なキャリアパスがあります。

確かに、トリマーの平均年収は一般的な職業全体の年収と比較すると悲しくなるほど低いのが事実です。

しかしトリマーとしての仕事の役割や社会的に求められている状況を把握すれば、あなたなりのキャリアの道が見えてくるはずです。

最初はサロンでの勤務からスタートすると思いますが、経験を積んで店長やマネージャーへの昇進、さらには独立して自分の店を持つことも可能です。

また、トリマーとしての専門性を活かし、教育者や競技会の審査員として活躍する道もあります。

はらだるな

決まった働き方だけにとらわれず、トリマーだからこそ活かせる働き方を柔軟に選択できるといいですね。

私の働く動物病院では、トリマー資格を所有した看護師さんが皮膚病の子や普通にトリミングができない事情のある子を、獣医師と連携しながら治療的トリミング(お薬を使った皮膚のシャンプー療法です)や麻酔下でのトリミングを行っています。

また私のように、ペット業界のプロの立場でメディアやSNSで発信したり兼業ライターをするなど、働き方は多様だと考えています。

長期的なキャリア設計をしておくのが大切

そんな働き方を自分で選んでいくためには長期的な視点でキャリア設計を行うことが、成功するためには不可欠です

それはどの業種にも当てはまる考え方だと思いますし、もちろん私自身獣医師としても常に意識しています。

短期的な目標(例えばいつまでに何のカットをできるようになるとか、何頭仕上げるとか、資格取得等)を設定しつつ、それを達成するたびに次のステップを計画します。

最終的に5年後10年後どうなりたいかを考えながら逆算してやっていく感じです。

自分の強みを活かし、市場のニーズに応じて柔軟にキャリアプランを調整することが、年収向上につながります。

はらだるな

言うのは簡単だけど、実行するのは難しいですよね。私も試行錯誤の日々です。

未経験から在宅で学べるおすすめトリマー資格

今回の記事はいかがでしたでしょうか。

トリマーとして成功するには近道はなく、自分なりにキャリアプランを立てながら着実に経験を積んでいく必要があります。

まずは自宅で受講できるトリマー資格を取得したい、トリマーという職業について学んでみたい、と思った方はおすすめ通信講座トリマー資格5選!働きながら取得する方法は?を合わせてご覧ください。

公的機関が提供するトリマーの統計情報を調べてみて

公的機関が提供する統計情報には、トリマーの平均年収、雇用形態別の収入の違い、地域による給与の差異などが含まれます。

これらの情報を活用することで、自分の年収が業界標準内にあるかを判断することができます。

これらのデータはトリマーとしての自分の位置を把握し、将来のキャリアプランを立てる上での重要な指標となるので、ぜひ一度覗いてみてください。

参照URL:総務省統計局(総務省統計局のウェブサイト)

参照URL:厚生労働省の労働統計(厚生労働省の労働統計)

参照URL:国税庁統計情報(国税庁統計情報)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大学卒業後団体職員として大動物臨床を経験後に、小動物臨床へ転換。
大動物・小動物臨床での多忙な働き方や上下関係に悩みながら、自分の仕事やキャリアに対する課題に気づく。
自分に合った働き方の解決策を模索するため、2022年に動物資格と転職ブログ「ペットのお仕事ナビ」を運営開始。

現在は小さな動物病院の勤務獣医師としてフルタイムで働きながら、「ペットのお仕事ナビ」の運営とライター活動を行っている。
私生活では公務員獣医と結婚し、愛犬と3人生活突入中。

目次